ヒマラヤ植林には4つの効果があります

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 はじめに
ヒマラヤ植林の効果 ヒマラヤでは、いちじるしい人口増加とともに森林の減少がすすんでいます。それは、ヒマラヤで暮らす人々が、生活(薪や家畜飼料の採取など)のため森林を伐採しなければならないからです。森林が伐採された後には荒廃地がのこり、地域の環境破壊が深刻な問題になっています。
 森林を利用し、それを減少(後退)させたのは住民ですが、一方で、住民は森林に依存した生活をしているため、森林が後退することにより住民の生活はくるしくなります。そして住民は、森林伐採を奥地へとさらにすすめ、生活が一層くるしくなるという「悪循環」が生じてしまっています。
 そこで、私たちヒマラヤ保全協会は、森林を再生させるとともに、人々の生活を改善することを目的に植林事業を開始しました。

1.地球温暖化の対策として重要です

温暖化による氷河の後退
温暖化により後退する氷河
 今日、地球環境問題として地球温暖化がクローズアップされています。地球温暖化は、温室効果ガス(CO2)の増加によってひきおこされているとされ、その削減が世界的な課題になっています。CO2削減のためには、その排出量を減らすとともに、それを吸収する森林を増やすことが必要です。
 このような意味で、森林減少がいちじるしくすすんでいるヒマラヤにおいて植林活動をすることには大きな意味があり、ヒマラヤの森林は、ヒマラヤだけのものではなく世界へとつながっているのです。ヒマラヤ保全協会は、ヒマラヤ植林が世界でもみとめられるよう努力をつづけています。

2.自然環境を保全します

荒廃する山岳環境
土壌流出がすすみ荒廃する山岳環境
 地球温暖化対策以外にも、植林活動により様々な効果が生じます。
 たとえば、「森林は緑のダム」と言われるように、森林ができると樹木が土地に根をはり、地下水をはぐくみます。ヒマラヤは南アジアの水源として重要であり、森林は、その水資源を涵養するためになくてはならないものです。また、雨季の豪雨のとき、樹木の枝葉がクッションとなり雨滴が表土に直接あたらなくなるので、土壌流出をふせぐ効果も生じます。
 水資源の涵養、土壌保全のほかにも、動植物の保護による生物多様性の保全、景観の保護など自然環境を保全するための様々な効果が生み出されています。さらに、自然環境の保全は、エコツーリズムの実践といったあらたな価値も生み出しつつあります。

3.住民に森林資源を供給します

少女が森から畑へ堆肥を運びだす
少女が森から畑へ
堆肥を運びだす
 ヒマラヤで暮らす人々は、森林の中に入り込んだ生活をしており、その暮らしは森林資源に高度に依存しています。自然保護だけを目的にするのであれば保護区(保護林)を増やせばよいのですが、それだけだと、ヒマラヤ山村の人々は生活していけなくなってしまいます。
 たとえば、ネパール全体で消費する全エネルギーの70%が薪であると言われています。家庭での調理用、暖房用の他、レンガ製造などの工業用熱源として薪は使用されています。また、山間部では放牧する草地が少ないため、樹木の葉を家畜飼料として人力であつめて家畜に食べさせています。つまり、彼らは、薪や家畜飼料を森林から絶えずあつめないと日々の生活が成り立たないという、森林に大きく依存したライフスタイルをもっています。
 さらに、森林に溜まる落ち葉はやせた畑の肥料としても活用され、豊かな森林は水をはぐくみ畑に農業用水を供給します。ヒマラヤには「耕して天に至る段々畑」があり、この段々畑を支える基盤が森林なのです。
 このように、ヒマラヤの植林活動は、薪・家畜飼料・材木・食品・薬草・堆肥・換金作物・水などの「森林資源」を住民に供給し、住民のもっとも重要な生活基盤をつくることになるのです。

4.住民の生活を改善します

住民が森に手を入れる
住民が森に手を入れる
 ヒマラヤの人々は、薪や堆肥、家畜飼料を採取するために長時間の重労働にたずさわることを余儀なくされ、特に女性の健康維持と社会参加、教育を受ける機会の減少など社会的な悪影響が出ています。
 植林により、薪やその他の森林資源を豊富に生み出す森林が集落の近くに再生されると、農業の改善ととともに、住民の社会生活も改善できます。ヒマラヤ保全協会は、住民の生活基盤となる森林を「生活林」と命名し、単に木を生産するだけではなく、地域住民の生活を積極的に改善する努力をつづけています。
 これにより、地域住民が植林活動に主体的に参加するようになってきています。この取り組みは、住民みずからがみずからの森をそだてるといった作業であり、住民が主体的に参加しながら、持続的継続的に自然環境を再生・保全していくプロセスです。
 「生活林」は、人手が入ってこそ健全に保たれる森林ですので、住民の主体的参加があってこそ永続的に森林を保全していくことができるのです。こうして、森林を利用しつつ育てるという仕組みができあがれば、森林と住民の循環的関係が構築され、自然と人間が共生していく道をひらいていくことができます。

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