ネパール・ヒマラヤ の スタディツアー(トレッキング・エコツアー)のご案内

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環境保全と異文化間での学びあいを目的にスタディツアー(トレッキング・エコツアー)を実践!

第21回 スタディツアー 〜ネパール・ヒマラヤ・フィールドワークの旅〜
2008年8月27日(水)〜9月7日(日)(予定)

 ※ツアーの詳細は、後日、本ページでお知らせします

1.多様な自然環境と様々な民族に出会えます!

■ 1-1. 沖縄から北極までに相当する自然環境が見られます

ヒマラヤとネパールの位置
ヒマラヤとネパールの位置
 ヒマラヤ山脈は、北上するにつれて標高は高くなり、気温は低くなります。
 ネパールで標高がもっとも低いタライ低地の年平均気温が摂氏25度の年に、チベット系の人たちの暮らす標高4000メートルの高地では7.4度となります。これを日本におきかえてみますと、前者の年平均気温は那覇、後者のそれは札幌の値に対応します。タライから高地までの水平距離は200キロメートルほどですから、大阪から名古屋ほどの距離の間に、日本列島全体の気温差が存在することになります。さらに、ヒマラヤの最高地は8000メートルにまでおよび、その気温は北極に相当します。
 つまり、ネパール・ヒマラヤには、沖縄から北極までの気温差がつめこまれているということになります。
 こうして、ネパールを南北にあるいて縦断すると、そこでは、亜熱帯から温帯、冷温帯、寒帯、さらに雪氷帯までのさまざまな自然環境が存在し、実に多種多様な植物を見ることができるのです。ネパールで現在までに記録された植物は約5500種で、そのうちの246種がネパール固有のものです。
 このようにネパールは、国土が小さいわりには、著しく変化に富む自然環境をもち、多種多様な植物が存在する特異な地域といえるでしょう。

■ 1-2. 自然と人間がつくりだす実に多様な世界を実感できます

カリガンダキ川
カリガンダキ川
 自然環境は、まず空間的にとらえ、次に時間的に分析し、そして自然史を総合的に想像するというステップをふむとよく理解できます。また、自然環境こそが、その地域の基本的な枠組みをつくりあげていること、その枠組みを決めるもっとも基本的な要素は地形であることをおさえておくとよいでしょう。
 ネパールでは、せまい国土の中に実に多様な自然がつめこまれています。これは、旅やフィールドワークという観点に立つと、比較的短い時間の中で効率よく、自然環境の多様性を観察できるということになります。つまり、ネパールは自然を勉強するフィールドとして世界でもまれにみるすぐれた場所といえます。
 ヒマラヤ保全協会の活動地域は、西ネパールのカリガンダキ川流域にひろがっています。この大河は、ヒマラヤを南北に切って流れていますので、私たちの活動地域においても、この川にそって南北にあるけば、実に多様な自然環境と、そこでくらす実に様々な民族に出会うことができます。
 このような観点にたって、ヒマラヤ保全協会の活動地域を訪問すれば、自然や民族に関する理解を一気にすすめることができ、自然と人間がつくりだす多様な世界を実感することができるのです。
 下図は、ヒマラヤ保全協会の事業地であるカリガンダキ川付近の「ヒマラヤ模式断面図」です。

ネパール・ヒマラヤの断面図

【解 説】
 ネパール・ヒマラヤは、標高約60mの低地から、世界最高峰エベレストの8848mまでの世界最大の高度差をもつ地域であり、この大きな高度差が実に多様な自然環境を生みだしている。
 ヒマラヤの自然環境を理解するためには、まず高度と植物に注目するのがよい。高度と植生には見事な対応関係があり、次のようにまとめられる。

■ 5500m以上:氷雪帯(氷河があり、植物はそだたない)
■ 3800〜5500m:高山帯(樹木は無く、低木、草、高山植物など)
■ 3000〜3800m:亜高山帯(シャクナゲ、モミ属針葉樹、ズダヤクシュなど)
■ 1000〜3000m:照葉樹林帯(ツバキなど葉がテカテカ光る樹木に代表される)
■ 0〜1000m:落葉広葉樹林帯(暑さと乾燥のため、乾季に葉を落とす樹木に代表される)

 月平均気温が5度C以上の月平均気温から5を引いた値を積算した値を「暖かさの指数」といい、これは、標高1000mでは180、標高3000mでは70、標高8000mでは0となっている。
 ヒマラヤで有名な高山植物としては、セイタカダイオウ、アオイケシ、ユキノシタ、シオガマギク、サクラソウ、リンドウ、トウヒレン、キケコン、スゲ、イワベンケイ、ワタゲトウヒレンなどがある。セイタガダイオウは特に有名で、その印象的な形態は多くの人々の記憶にのこる(その模型と解説は国立科学博物館で見ることができる)。セイタカダイオウは、その内部は外気よりも約8度あたたかく、成長するのに7〜8年かかる。東ヒマラヤでは降水量が多いので大きな高山植物がそだつのだという。
 ヒマラヤ保全協会の「ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール」では、ポカラでは落葉広葉樹林帯を、トレッキング中のプンヒルでは亜高山帯を、それ以外の場所では照葉樹林帯を直接観察することができる。また、プンヒルやナルチャンでは高山帯〜雪氷帯を比較的間近で見ることができる。したがって、落葉広葉樹林帯〜氷雪帯までの多様な自然環境を比較的短期間で見わたすことができるわけで、このような効率のよい自然環境体験(フィールドワーク)はほかの地域では決して得られない。
 「ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール」でホームステイする村の環境は照葉樹林帯に属し、多くの人々が日本の自然環境(景色)と似ていることに気がつく。それは植生が似ているからである。実は、照葉樹林帯はヒマラヤ中間山地から中国をへて西日本までつらなる非常に大きな植生帯であり、この地帯では「照葉樹林文化」とよばれる独自の文化が花開いた。
 したがって、「ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール」では、まず、ヒマラヤの多様な自然環境を大観でき、次に、照葉樹林文化に接することにより、ヒマラヤを理解するだけでなく日本の自然をとらえなおすことができる。  このように、ネパール・ヒマラヤは非常にすぐれた「大自然の学校」であり、この地でのエコツーリズムの可能性はとても大きいといえよう。

2.国際協力NGO"ヒマラヤ保全協会"の現地活動に参加します!

 国際協力NGOがおこなうスタディツアーは、主催者と参加者・地域の人々とが課題を共有し、国内外の地域における問題解決にむけた取り組みとして関心が高まりつつあります。

■ 2-1. 参加者の希望に応じて3種類のツアーを実施しています

ネパールツアー 国際協力・環境NGOであるヒマラヤ保全協会は、国際交流・理解促進事業の一環として、異なる文化・価値観を持つ人々が学びあい、啓発しあうことによって新しいつながりや価値観が生まれる場としての「スタディツアー」や「ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール」を毎年開催しています。
 平成4(1992)年から開始されたこの取り組みでは、ヒマラヤをトレッキングし、ネパール山麓の村ヒマラヤ山村の民家にホームステイをしながら、参加者みずからが、現地調査や環境保全・森林保全のための実作業などにボランティアとして従事し、その土地の独自性を生かした村づくりの支援をめざして活動しています。
 また、こうした活動が、ネパールと日本の友好を育み、異文化間での学びあいの場となっています。
 ツアーの実施は年3回で、夏期(短期間)、春期(中期研修ツアー)と、年末年始にかけての長期間の「ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール」とで構成されています。
 標高2,000〜3,000mの山奥にまで出かける本格的なツアーから、ネパールへの旅行がはじめてという人にも配慮した短期間のツアーまで、安全面での対策を万全としながら、参加者の目的や期待に応じた3種類のプログラムが特徴です。

■ 2-2. 森林保全・環境保全プロジェクトの一環として位置づけています

ネパールツアー ヒマラヤ保全協会では現在、ネパール国内において植林活動の支援を行う「森林保全・環境保全プロジェクト」をメイン事業として推進しており、スタディツアーや山岳エコロジースクールを、このプロジェクトの一環として位置づけています。ツアー参加者は村人とともに植樹をおこない、森林再生に貢献しています。
 ヒマラヤ保全協会のツアーは、その実践の過程で培われる様々な調査や人的ネットワークが、同プロジェクトの実践や新たな現地支援のプログラムづくりなどにむけて、貴重な財産となっています。
 また、スタディツアーの際に実践される現地の村に関する調査やデータのまとめには、ヒマラヤ保全協会創設者の川喜田二郎(現名誉会長)が考案した「KJ法」が生かされていることも、ツアーの特色の一つといえます。「KJ法」の活用による効果については、情報収集と整理、報告書の作成といった調査データの蓄積や、それらに基づく村落の活性化に役立つばかりでなく、参加者にとっては、現地調査や国際協力のにおけるノウハウを身につける場の提供にもなっています。
 > 「KJ法」についてはこちらです

■ 2-3. 一般市民への国際協力ボランティアの普及をめざして

ネパールツアー スタディツアーや山岳エコロジースクールの実施がもたらす成果としては、活動による双方の文化・習慣や人的交流を介して、日本人にとっては、現地での活動体験によって自然と人間との関係を見なおすきっかけづくりや、国際協力ボランティアの意義に関する学びの場となっています。またネパールの村人たちにとっては、ツアー参加者との協働による就業の場の確保や、国際協力による村の活性化などがあげられます。
 また、スタディツアーそのものの認知度についても、日本社会の中で徐々に浸透を見せており、国際協力NGOが協力して運営している「スタディツアー研究会」が成果を収めています。
 日本とネパールの人々の「学びあい協力〜同じ目の高さの国際協力をめざして」をスローガンに掲げるヒマラヤ保全協会では、広く一般市民への国際協力ボランティアの普及をめざして、誰もが参加しやすく、魅力あるスタディツアーの実施に尽力しています。

担当者から一言

 〜国際協力を目的としたボランティア活動として、特色あるスタディツアーの継続をめざして〜

ネパールツアー かつてのスタディツアーは、諸外国、特に経済的発展や地域開発の遅れている国々の抱えている課題への理解を深め、市民レベルでの国際協力の重要性を訴える目的で実施されてきましたが、いまや、参加者自身が行動を起こし、その国や地域のために、何らかの形で貢献する目的で行われるスタディツアーへと、主旨やプログラム内容が変化してきています。
 スタディツアーそのものが、国際協力のためのボランティア活動の一環となっており、主催者側にとっては、ツアーの特色や具体的な活動、目標としている成果などの明確化が重要といえます。
 また、参加者にとっても、受身的に体験だけをするのではなく、自分たちの関心のある地域に入り、ニーズに対する具体的・人道的な協力活動を自らがおこなうことが、スタディツアーに対する期待となってきています。
 私たちヒマラヤ保全協会のスタディツアーや山岳エコロジースクールでは、「KJ法」を用いたネパールの調査と、それに基づく地域の活性化を特色としており、その成果をデータベースに蓄積し、事業の実践に活かすとともに、このような方法が、スタディツアー実施における一つのモデルケースとなるよう努力していきたいと思っています。
 同時に、日本の市民社会が成熟し、国際協力NGOへの参加者が増えることを期待しています。
 (ヒマラヤ保全協会理事・事務局長)

3.ヒマラヤ保全協会のあゆみと山岳エコロジースクール -自然環境と生活体験のシンクロナイズ-

■ 3-1. ヒマラヤ保全協会のあゆみ

ヒマラヤ保全協会が再生した森林
ヒマラヤ保全協会が再生した森林
 ヒマラヤ保全協会は、ネパール・ヒマラヤにおいて、自然と人間の共生をめざし、地域住民が主体になった環境保全活動をすすめています。KJ法をつかった住民参画方式により、森林保全を中心とした自然環境の保全、住民の生活改善、文化保全、地域の活性化などを有機的にむすびつけて事業をおこなっているのが特色です。また、日本人ボランティアと現地住民が協力して、「ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール」(スタディツアー/エコツアー)を毎年開催しています。
 当会の活動は、1963年に、川喜田二郎(現ヒマラヤ保全協会名誉会長)が、ネパール西部のミャグディ郡シーカ村で、ヒマラヤの自然を守り、村を発展させるために技術協力をはじめる計画をたてたころよりはじまります。
 そして1997年に、川喜田二郎はヒマラヤ技術協力会(ヒマラヤ保全協会の前身)を設立し、森林保全・上水道建設のプロジェクトを開始しました。
 その後1986年には、ヒマラヤ保全協会を設立し、プロジェクトをさらに発展させました。
 1992年になると、そのヒマラヤ保全協会は、アンナプルナ総合環境保全プロジェクトを開始しました。また、第1回「山岳エコロジースクール」を開催しました。
 1997年には、ヒマラヤ保全協会はネパール事務所を開所し、現地での活動を一層強化しました。
 2001年には、森林保全3ヵ年計画を開始しました。
 そして2005年、新たな森林保全プロジェクトをパルバット郡その他で開始しました。
 このように、川喜田二郎とヒマラヤ保全協会は、森林保全と住民の生活を向上させるプロジェクトを多数おこない、山村を活性化させ、ネパールの発展に大きく貢献してきました。この活動はこれからも継続しておこない、ネパールの発展のために今後とも役立ちたいとおもっています。

■ 3-2. ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール

ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール ヒマラヤ保全協会の「山岳エコロジースクール」は、1992年からほぼ毎年開催されています。現地で進行している当会の事業と一体になって開催されるということが最大の特色です。
 2006年12月22日〜2007年1月8日には、第13回「ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール」が開催されました。テーマは「環境保全 -世界の屋根ヒマラヤを守れ!」でした。 
 ネパール・ヒマラヤをトレッキングし、ネパール中西部ミャグディ郡・ナルチャン村にホームステイをしました。ナルチャン村では、日本人ボランティアがヒマラヤ保全協会の現地事業に参加することを主眼に、当協会の事業地を見学、地元の生徒たちとともに植樹もしました。
 今回の参加者からだされた数多くの感想の中で、もっとも重要なこととして参加者自身によりピックアップされたのは以下の4点でした。
「生徒たちと一緒に植林をおこなったのがとてもよかったです」
「参加者の皆さんと意見交換することで自分の視野がひろがりました」
「環境と開発のジレンマを感じました」
「観光・交流は、良い悪い両方のインパクトを与えると思いました」
 このエコロジースクールは、ヒマラヤは、自然と人間を見つめ直す最適地であり、地域に住む人々や地域の自然そのものが“先生”であるというコンセプトに基づいて、参加者が、ヒマラヤ保全協会の現地協力活動に参加する中で、自然と人間、文化についてまなんでいくというプログラムです。一方で、地元の人々にとっては、日本人とやりとりするなかで、地元をあらためて見直す絶好のチャンスを提供されます。
 つまり、現場の資源を有効に活用し、自然や文化を保全しながら地域の活性化をめざすエコツーリズムの実践形態として長年開催されてきました。
 今回の開催地・ナルチャン村とその周辺は、その景色・景観のすばらしさにおいて、過去最高でした。ヒマラヤの峰々、氷河、大渓谷、滝、大河といった数々の絶景、お花畑や温泉など、ヒマラヤの自然環境をトレッキングを通して思う存分体験できました。一方、ホームステイを通して村の生活を体験し、村人からのもてなしをうけ、家族とのふれあいや日々の食事をたのしむことができました。
 このように、今回のエコロジースクールは、自然環境とホームステイのシンクロナイズが非常に大きな効果を生みだすことを見事に証明したと言えます。背後に自然環境があり、中心に生活体験があります。“大自然”の中ですごすとはこのようなことであり、それは、人間をふくめたエコシステムを知ることです (図)。
 私たちは今回、ネパール・ヒマラヤにおけるエコツーリズムの可能性が非常に大きいことを再認識しました。ヒマラヤの村々は、そのための絶好のフィールドとして今後の発展が大いに期待されます。

<<< 過去のツアー >>>
ネパールツアー第20回スタディツアー「森林保全と参加型村落開発」
第14回ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール「山の暮らしから学ぶエコロジー」
第19回スタディツアー《夏のスタディツアー2007》「ネパール・ヒマラヤの環境保全」
第13回ネパール・ヒマラヤ山岳エコロジースクール「氷河の見える村をめざせ!」
第18回スタディツアー「カトマンドゥ近郊 ダパケル村 ホームステイの旅 8日間」


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